2016年9月13日火曜日

Brand New "Millstone" 邦訳

Brand New "Millstone" 
アルバム"The Devil and God Are Raging Inside Me" 収録曲
歌詞はAZlyricsより


I used to be such a burning example,
I used to be so original.
I used to care, I was being cared for.
Made sure I showed it to those that I love.
私はかつて、熱心な模範的な教徒だった
私はかつて、独創的だった
私はかつて、他人から気をかけられていることを気にしていた
私が愛している人々に対して、確かにそのことを示していた


I used to sleep without a single stir,
'Cause I was about my father's work.
私はかつて、身じろぎ一つすることなく、穏やかに眠りについた
父(たる神)の仕事に取り組んでいたから


Well take me out tonight,
This ship of fools I'm on will sink.
I'm my own stone around my neck,
Be my breath, there's nothing I wouldn't give.
今夜私を連れ出してくれ
私が乗っている、この愚か者どもの船は沈むだろう
私は、自分の首に巻かれた石そのものである
私の息吹となれ、差し出すに惜しいものなど何もない


I used to pray like God was listening.
I used to make my parents proud.
I was the glue that kept my friends together,
Now they don't talk and we don't go out.
私はかつて、神が私に耳を傾けているかのように祈った
私はかつて、両親を誇らしい気持ちにさせた
私は友人たちをつなぐ役割を担っていた
今では彼らは言葉を交わさないし、出かけることもない


I used to know the name of every person I'd kissed.
Now I've made this bed and I can't fall asleep in it.
私はかつて、私が口づけした人たちの名前をすべて覚えていた
今ではこのベッドを整えても、眠りにつくことができない


Well take me out tonight,
This ship of fools I'm on will sink.
I'm my own stone around my neck,
Be my breath, there's nothing I wouldn't give.
(略)


Throw me that lifeline,
This ship of fools I'm on will sink.
I'm my own stone around my neck
Be my breath, there's nothing I wouldn't give.
その命綱を投げてくれ
(以下略)


Never hit the brakes
there's no time to save him,
He just ran out in the street
anybody know his name?
I think I recognize him
Sure as hell paid for that mistake
ブレーキは踏むな
彼を救う暇などない
あいつは通りを走っていった
彼の名を知っているものは?
たぶん見覚えがある
間違いない、あのことで報いを受けたんだ


Whoa.

So take me out tonight.
This ship of fools I'm on will sink.
I'm my own stone around my neck.
Be my breath, there's nothing I wouldn't give.
(略)


To save my life tonight.
This ship of fools I'm on will sink
I'm my own stone around my neck
Be my breath, there's nothing I wouldn't give.
今夜私の命を救うために(惜しいものなど...)
(以下略)






補足
参考URL SongMeanings
こちらでの解釈を参考にさせていただきました。

まずタイトルの"Millstone"は「石臼」という意味です。
これは新約聖書に言及があって、例えばマタイによる福音書18:6には、
「しかし、わたし(イエス)を信じるこれらの小さな者の一人をつまづかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、深い海に沈められるほうがましである」(“If anyone causes one of these little ones—those who believe in me—to stumble, it would be better for them to have a large millstone hung around their neck and to be drowned in the depths of the sea.)とあります。

キリスト教のモチーフが用いられているのは明白ですが、
どこまで読み取るべきかは意見が分かれるところでしょう。

2015年7月24日金曜日

反出生主義について

David Benatar著 'BETTER NEVER TO HAVE BEEN'より

"The central idea of this book is that coming into existence is always a serious harm."
「この本の中心的な考え方というのは、存在に至るというということは常に深刻な害であるということである」

本の中で展開される「反出生主義」とは、子供を産むことを否定する哲学である。
その根拠は次の一点にある。

"One can never have a child for that child' sake"
「人は、生まれてくる子供のために子をもうけることなど決してできない」

これが反出生主義の根幹をなす思想である。
すなわち、この思想は、「既に存在しているもの」ではなく、「これから存在に至ろうとするもの」の立場を考えるものである。そもそもこの世に生を受けることがなければ、あらゆる苦しみを避けられるというわけである。




反出生主義に関して他の記述も示しておこう。


ショウペンハウエル著「自殺について」(岩波新書)からの引用

「もしも生殖の行為が欲情にともなわれた要求ではなしに、純粋な理性的考慮の仕事だとしたら、人類はそれでもなお存続しえただろうか。むしろ誰もがきたるべき世代に対して深い同情を感じて、なるべくなら彼らには現存性の重荷を背負わせたくないものだと思ったり、乃至は少なくとも自分ではそういう重荷を無情にも彼らに背負わせるような真似はしたくはないと思ったりはしないであろうか。世界はまさしく地獄に他ならない。そして人間は一方ではそのなかでさいなまれている亡者であり、他方では地獄の鬼である」

「何ら主観的な情熱も欲情も生理的衝動もなしに、純粋な熟慮と冷静な目論見だけからして人間をこの世に送り出してそこに生存させようなどということは、これは倫理的にみて甚だいかがわしい行為なのではなかろうか」


ショウペンハウエルが述べるように、苦しみが存在することを認めるならば、子をもうけることを理性的に正当化することは困難である。あるいは不可能なのかもしれない。

意図的に子どもを産もうとするなら、それは産む人間のエゴに他ならない。そして文字通り一人の人間の命を賭することになるのだ。それを認めなければならない。